
ハンブルクの中央を斜めに分断するかのように流れるエルベ河
そしてその支流とが作り出す超巨大な中州
チューリップの球根の様な形をした中州の
緑豊かで閑静な住宅地の一角にマンキヴィッツ本社はあった
ここでアレクシールが作られているのだ
百年以上の歴史を誇るマンキヴィッツ社
エクステリアはシルバーメタルパネルで覆われ渋く光を反射している
緑豊かなこの地でシルバーが一層際立ち、内包する技術力をさり気なく
アピールしているかのようだ
そのシンプルでありながら必要なことはきっちりと表現するデザインは
必要以上の装飾を嫌うドイツ人気質を見せつけられる思いだ
かなりカッコいいな
敷地の一部には歴史の生き証人であるツタの絡み付いたレンガ作りの建物も残され
ただ者ではないムードを醸し出すことも忘れない
日本の古い紡績工場にも見られるのこぎり状の三角屋根に開けられた窓からは
一日中柔らかい日光を室内に取り込める
通常は色を見る為に北向きに開けられるこの窓が南に付いていることからも
緯度の高いこの地で寒さを少しでも緩和しようとした昔の人の工夫が伺える
それにしても静かだ
内部映像をお見せすることはできないが様々な部署が存在し何百人もの人が動き
数々の機械類が作動し、車が出入りしているにもかかわらず恐ろしく静けさを感じる
周りの木々が音を吸収しているのかもしれないし
人々がムダ口をたたかず黙々と自分の作業を行っているのにも要因があるのかもしれない
もちろん人々が冷たいと言っている訳ではない
質問をすれば誰でも気さくに答えてくれるし、ゆっくりとそして丁寧に解説してくれる
母国語ではない英語で話しているせいでもあるだろうが
頑固で冷たいと思っていたドイツ人に対するイメージが変わったな
付かず離れず 日本人にはとても合う距離感で接してくれる
採光がしっかり考えられとてもクリーンに保たれたシンプルで
働きやすそうな会社
そんな場所でアレクシールは製造されていた


