2008年8月アーカイブ

マンキヴィッツ社の外観
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ポリエステルウレタンを樹脂に採用したアレクシール

基本性能の高さは言うまでもないがアレクシールの場合
更に様々な添加剤を加えて性能アップを計っている
その効果を確かめる為の測定機器にも抜かりなく実験機器を操作する
白衣を着た人々が大勢働いている様はさながら化学実験施設のようだ
アレクシールが化学技術の結晶だということが実感できる

企業秘密のために写真は撮らせてもらえなかったのが残念だが
塩水をかけ続け塩害を調べる機械 高湿度中での耐久性を調べる機械
塗料の剪断、曲げ強度などを調べる機械
自社のテストピースだけではなく他社から依頼されたテストピースも
混在していることからもアレクシールを開発、製造するマンキヴィッツ社の
測定機器の優秀さとテスト技術の高さが伺い知れるだろう

特に充実していたのがUV関連のテスト機器類
UVとはUltraviolet(ウルトラバイオレット)の略
可視光線における一番短い波長である紫よりもさらに短い波長の光 という意味だ
日本語では紫外線 紫の外の光線と表記される
UVの特徴は人の肌を老化させるだけではなく化学的な作用を及ぼす
化学的に結合して成り立っている塗料の結合を分解してしまうということは
つまり塗料ではなく別の物に変化してしまう ということ
ツヤが引けたり表面がボロボロと剥がれ落ちたりするのは塗料が別の物質に
変化してしまった証拠なのだ

余談だが赤色の車に乗っていて色あせが激しいと感じたことはないだろうか
赤という色は赤い顔料を使っている色 という言い方もできるが
赤以外の波長を吸収してしまう色 とも言い換えることができる
赤い波長の光だけを反射するので赤く見える という訳
白はどうか
白は光の三原色である 赤 青 緑 を均等に反射する色である と言える
熱源とも言える赤外線をも反射するので直射日光下でもあまり温度が上がらない
ということは経験的にご存知であろう
では黒はどうだろう
黒は全ての波長の光を吸収するので黒く見えている という色だ
当然赤外線も吸収しやすいので炎天下で黒い車が恐ろしい熱さになっているのを
体感された方も多いだろう

そして赤という色は赤以外の短い波長 青から紫にかけての短波長を吸収する
ということを意味する
つまり紫外線を吸収しやすい色 であるとも言える
赤は色あせしやすいのだ
黒も同様である 黒の場合は紫外線による影響だけでなく赤外線による
熱の影響もあるのだから劣化の早さは想像に難くない

余談が長くなったがUV抜きでは塗装の劣化について語ることは不可能なので
取り上げてみた
マンキヴィッツ社におけるUV機器の充実ぶりを見てもマンキヴィッツがいかに
紫外線による劣化について重要視しているかが良く分かる
ポリエステルウレタンという優秀な樹脂を使っていても劣化してしまっては
全く意味がない
そして紫外線対策に対して、またそれ以外の面に関しても
マンキヴィッツ社が持っている最大のアドバンテージが
Aviasion(アビエーション)と呼ばれる航空機塗料部門を持っている点だ
常に強い紫外線に曝され続ける海の上
だがその船の世界よりもさらに過酷な条件に曝されるのが飛行機の世界だ
そしてアレクシールにはアビエーション部門の技術がフィードバックされている

アレクシールには最先端のUVカット加工が施されているのだ


車の世界でも名だたる大メーカーはフォーミュラカーレースに参戦して
技術を磨きその技術を市販車にフィードバックしているのだ
もちろん宣伝効果も期待してのことだとは思われるが
戦いの場で磨いた技術はかけがえのないものになっているはず

航空機の塗装はそれに匹敵するだけの過酷な現場なのだ
そして技術のフィードバックに関しては会社の内部構造にもかかわってくるはずだが
マンキヴィッツ社は様々な部署どうしの垣根が低く、部署ごとの交流が
頻繁に行われているようであった
実際 ピカピカに仕上げられたウッドのテーブルトップがあったので
質問すると「あれは航空機用のクリアーで仕上げたテーブルトップなんだ きれいだろ」
との答えが返ってきた
大塗料メーカーではあり得ない話だろう
マンキヴィッツの社員が言っていた
「うちは大きなグループ会社ではないから情報の行き来がスムーズに行えるんだ
だから開発も早く行えるし小回りもきくと言う訳さ」

マンキヴィッツの社員たちと話をしていて一番感心したのが
我々が化学のことなど一切考えずに「こんな塗料が欲しいんだけど」と言っても
それについて真剣に真摯に考える姿勢であった
普通は「化学を知らないド素人が何言ってやがる」と鼻で笑われて
軽くあしらわれるのがオチなのだが
マンキヴィッツ社の社員は誰と話をしてもそんな態度を取る人間はいなかった
だからこそアレクシールという性能が優秀というだけではなく
施工者にとっても使いやすい塗料が生まれたのであろう

小回りが利く という会社のメリットを生かして現在の製造業のトレンドでもある
多品種少量生産にも対応しているマンキヴィッツ社
「特注の塗料でもすぐ作って送るよ」と言ってましたね

ドイツにおける最先端科学技術の発信基地であるハンブルク
それは昔も今も変わらない
そんな場所で百年以上技を磨き続けたマンキヴィッツ社
これからもすごい塗料を開発販売し続けるのだろう
 
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ハンブルクの夏 昼が長い

樺太と同じ緯度を持つこの地では冬は相当冷え込むらしい
だが今は夏 夜10時の日没まで存分にこの美しい街を探索できる
良いデザインと良い色彩はいくら見ても見すぎるということはない
必ずや今後の仕事に生かせるはずだ という口実を設けて足の続く限り
連日30度を超える気温の中歩いてみる
湿度が低いのが救い この時期晴天に恵まれることは珍しいそうなので
汗を流しつつも天に感謝

川と運河の街にもかかわらず プレジャーボートを見かけることはほとんどない
たまに見かけてもせいぜい30フィート 大きな物はほとんどないようだ
別に大きけりゃいいと思っている訳ではないが小さい船も日本の方が充実してる
そんな訳で船に関して報告できることは残念ながら特にない

ただせっかくドイツまで行ってきたので街歩きの成果を載せておきます
どこにカメラを向けても絵になってしまう美しい町並み
ここはあえてはずし気味でお届けしましょう

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研修内容について

まずプロジェクターでマンキヴィッツ社の歴史に始まり
アレクシールの他にどのような塗料を作っているか
会社にはどのような部署があるか
世界の支社や代理店そして今まで実際に世界中で塗装された船名や
施工者名などのリストも紹介された

その中には去年、塗装の修行に行ったルーマリンの名前もありましたね
さすがルー氏やはりアレクシールに目を付けているようです
もちろん我々が塗装した船もデータベースに登録してもらいました

そして本題 アレクシールについての解説
各種プライマーからトップコートまで
我々はもちろん普段から英語のデータシートを熟読しているので特に目新しいことは
なかったのだが、それでも英文の解釈に誤りがあってはいけないので
気になる部分に関して確認をしながら進む
日本総代理店の弊社としては添付する日本語のデータシートを作成するのに
誤りや勘違いは許されないからだ

一番白熱したのは「より良い塗装面を作る為にはどうするべきか」という問題に関して
我々があまりに細かいことまで質問を連発するのでついには下のような
図まで登場する始末 連日何枚の紙を使わせてしまっただろうか
だが遠くドイツまでやってきたんだから何か掴んで帰らなければね
それでも我々のしつこい質問攻めにも嫌な顔一つせず熱心に解説してくれた
Heyde氏とSchultz氏に感謝したい

ところで下の写真でPolyester Urethaneという文字が読めるだろうか
ポリエステルウレタン これが一つのキーワードだ

塗料は樹脂と色を付ける顔料その他添加物 と硬化剤
大雑把に言うと以上の成分からできている
そして塗料の性格を決定づけるのが樹脂だ
ポリエステルウレタン アレクシールの樹脂はオールグリップと同様のもの
オールクラフト2000の樹脂はアクリルウレタン
AWLという文字こそ付いているがオールグリップとオールクラフト2000は
まるで別物の塗料なのだ

以前オールグリップを製造するユーエスペイントの社長をやっていたHeyde氏
彼曰く「オールクラフト2000は施行が難しく補修もできなかったオールグリップに対して
扱いやすさを追求し補修を可能にした塗料 ただし塗料としての性能はあまり良くない
まあ僕が作ったんだけど(笑)」とのこと
そこで彼が歴史と技術力のあるマンキヴィッツ社に移ってきて
オールグリップの性能とオールクラフト2000の扱いやすさと補修性能を合わせ
さらなる付加性能を加えて完成させたのがアレクシールなのだ
これは実際我々が使用してみての感想とも一致する
またそうでなければ安田造船所が代理店になることはなかったであろう

長くなったので続きは別の機会に

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マンキヴィッツ社が我々の為に用意してくれた
最近できたばかりのエンパイアリバーサイドホテルの部屋からの眺望
画面上部に見えるのがドイツ最大を誇るハンブルク港
ヨーロッパ第三位のドライドックを持ち巨大船のメンテナンスや製造を行っている
海のように見える部分がエルベ川 海からは100キロ程も離れているのだ
それでも交通の要衝として昔から栄えてきた
街もそれに伴って魅力的なものとなっている

それにしてもなんていい景色なんだろう これでも全パノラマの三分の一ほど
毎年10月から11月にかけてマイアミと並ぶ世界最大級のボートショーが
開かれているようなのでそれに絡めて訪れるのもいいのでは
誰もが、どんな物に興味を持っている人にも満足できる多様性、多面性を
持った魅力的な街  それがハンブルクであった

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空港に降り立った途端からドイツデザインの洗礼を受ける

インダストリアルデザイン大好きの僕にとってはたまらない光景
興奮して写真を撮りながら歩くのでどうも他の人達に遅れがちになる
想像通りの質実剛健と言おうか硬質な、まるで川端康成の文章のような
端正でクールな佇まいを見せる

今は日本のデザイナーが海外で活動したり逆に海外のデザイナーが日本で
デザインしたりして国ごとのデザイン差があまり感じられなくなってきた気がする
だが空港で実際に見て感じる差はデザイン差以上のものがある なぜだろうか
そして光の使い方が違う ということに気付いた
とにかく蛍光灯のトップライトを多用し明るくはっきり照らす日本
それに対してタングステン照明を少ないながらも効果的に配置しているドイツ
暗いが雰囲気を大切にした間接照明の立体感はすばらしい

カメラの世界でも(日本とドイツは二大光学製品製造国だが)同様な違いがある
カメラの心臓部 それはレンズ
日本はコントラストを高く解像度も高くして逆光にも強い
スペック的に完璧なレンズを作ろうとするのに対しドイツ製のレンズは
立体感とグラデーションを重視したレンズを作る
レンブラントの油絵のような立体感と雰囲気を写し撮るそのレンズからは
現実という三次元を写真の二次元に置き換える作業に対する国ごとの
考え方の違いを感じられる

空港だけでこんなに興奮してたらこの先どうなるのであろうか
ちょっとだけ心配 いっぱい楽しみ

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ハンブルクの中央を斜めに分断するかのように流れるエルベ河

そしてその支流とが作り出す超巨大な中州
チューリップの球根の様な形をした中州の
緑豊かで閑静な住宅地の一角にマンキヴィッツ本社はあった
ここでアレクシールが作られているのだ

百年以上の歴史を誇るマンキヴィッツ社
エクステリアはシルバーメタルパネルで覆われ渋く光を反射している
緑豊かなこの地でシルバーが一層際立ち、内包する技術力をさり気なく
アピールしているかのようだ
そのシンプルでありながら必要なことはきっちりと表現するデザインは
必要以上の装飾を嫌うドイツ人気質を見せつけられる思いだ
かなりカッコいいな

敷地の一部には歴史の生き証人であるツタの絡み付いたレンガ作りの建物も残され
ただ者ではないムードを醸し出すことも忘れない
日本の古い紡績工場にも見られるのこぎり状の三角屋根に開けられた窓からは
一日中柔らかい日光を室内に取り込める
通常は色を見る為に北向きに開けられるこの窓が南に付いていることからも
緯度の高いこの地で寒さを少しでも緩和しようとした昔の人の工夫が伺える

それにしても静かだ
内部映像をお見せすることはできないが様々な部署が存在し何百人もの人が動き
数々の機械類が作動し、車が出入りしているにもかかわらず恐ろしく静けさを感じる
周りの木々が音を吸収しているのかもしれないし
人々がムダ口をたたかず黙々と自分の作業を行っているのにも要因があるのかもしれない
もちろん人々が冷たいと言っている訳ではない
質問をすれば誰でも気さくに答えてくれるし、ゆっくりとそして丁寧に解説してくれる
母国語ではない英語で話しているせいでもあるだろうが
頑固で冷たいと思っていたドイツ人に対するイメージが変わったな
付かず離れず 日本人にはとても合う距離感で接してくれる

採光がしっかり考えられとてもクリーンに保たれたシンプルで
働きやすそうな会社
そんな場所でアレクシールは製造されていた

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DANKE HAMBURG!!

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古きレンガ造りの建物や教会、そして
ガラスを多く取り入れた近代的な建物が

  美しく融合されたドイツハンブルグの町なみに僕も藤本に負けじと
シャッターを斬る。